カンナビノイド業界の”線引き”について

カンナビノイド業界の様々な考え方について

万能的で幅広い魅力を秘めているカンナビノイド成分。

カンナビノイド(大麻に含まれる成分)が持つ力は凄まじく、精神活性作用は無いのに様々な医療効果が認められ世界中で人気の成分CBDから、お酒のような陶酔作用を持つ成分まで様々。全ての成分を使う事ができ、一人一人ヒアリングを行いつつ提供する事ができれば、大半の方にご満足いただける物を提供する事も夢ではない。

それぐらいの力が秘められていると思います。

どこぞの国や州では”嗜好or医療大麻解禁”
かたや”特定のカンナビノイド成分が違法に”などなど日本だけではなく、世界的に見ても日々ルールが変わっています。

そんな中で日本においても一部の成分が規制されたり、メディアの報道などで印象が悪くなったりとなかなかカオスな状態です。

(まずは安全性が認められているCBDで認知を拡大していくのが良い)(ユーザーの需要に応える事が1番大事。CBDでは多くの人が効果を感じない)(CBD、CBG、CBNなどの天然成分で広めていきましょう)

などなど様々なスタンス、方向性、考え方があります。
ユーザーも業者も多くの場合は無意識であれ、どこかでカンナビノイドに対して”線引き”をしていると思います。当記事ではその”線引き”についてまとめています。

それぞれの考え方についてポジティブ要素の部分をまとめているので、さっとお目通し頂ければ幸いです。個人的には基本的にどの考え方も間違っているとは思えなくて、見ている部分(想像する理想の未来)や、企業(ブランド)としての取り組み方が違うだけ。だと感じています。

ヨーキー
ヨーキー

正義や悪なんて物はないけども、余計なトラブルは起きないように慎重にユーザー数を増やしつつイメージを変えていく意識をもたないと、全てのカンナビノイド成分が禁止になってしまうような未来も考えられると思っています。せめてCBDやCBG、そしてCBNなどブロードスペクトラムなどの天然CBD原料に含まれる成分だけは守りたい。

カンナビノイドの線引き

ここで軽く当ブログ運営者(ヨーキーCBD)について自己紹介。

2019年から1人のCBD愛好家として約5年。
自社CBDブランドを立ち上げて早3年経ちました。

>>CBDとの出会い~製品開発に至るまで

↑こちらに僕がCBDを含むカンナビノイド成分にのめり込んでいった経緯を書いています。良かったらお目通しください。 ※記事の最後にもリンクを貼っています。

そんな僕は、精神活性作用の無いCBDも大好きですし、合成カンナビノイドにも辛い時に救われてきました。今は合成カンナビノイドの括りに入るような成分を販売してはいないですが、成分自体を悪い物と思ったことは1度も無いですし、扱い方、注意点、ユーザーが求めている事まで熟知している方だと思います。

CBDしか扱っていない事業者さんとも連携したり、それこそ合成カンナビノイドを含め最新成分の新情報を常に追っている方とも仲良くさせて頂いてます。

その上で各々のスタンス、考え方をまとめていきます。

①CBDだけで広めていこう

CBDアイソレート(単一)しか扱わないスタンス。

  • まずは安全性が確立されているCBDで日本におけるカンナビノイドの認知を広めていこう
  • 基準が一番厳しいWADA(世界ドーピング防止機構)で認められている成分が、CBD のみだから

<個人的な意見>

(体感が強い=高品質)の価値観がほとんどの中で、なかなか即効性の実感力が無いCBDだけだと正直ビジネスとして成立させるのはかなり難しいはず。

その中でどうすればCBDの良さを分かって貰えるか。カンナビノイド以外の天然成分と組み合わせたり、吸収率に着目して研究開発を進めたり、CBDが持つ可能性を最大限に活かす事に注力している分だけ、CBDの事を熟知している方達が多い印象です。

ヨーキー
ヨーキー

やはりCBDアイソレートは(体感が無い=低評価)を受けやすい部分もあるので、今だけを見れば最も険しく厳しい方向性だと思います。そんな中で突き進んでいるブランドさん。心から尊敬です。

②精神活性が無いものを

”非”精神活性成分のみを扱うスタンス。

<非精神活性カンナビノイド成分 ※主に日本国内で見かける成分のみ>

  • CBD
  • CBG
  • CBC
  • CBDa
  • CBGa
  • CBDV
  • CBT

※H4CBD,CBNは”ごくごく僅かな精神活性”の性質を持つ

ヨーキー
ヨーキー

書きながらふと思いましたが、この部分で線引きをしているメーカーさんは1社しか聞いた事がないですね。(H4CBDは精神活性だから扱わない)と判断していました。でもCBNは扱っている。

③CBD、CBG、CBNだけで

CBD(アイソレート、ブロードスペクトラム)、CBG、CBNを中心とした製品展開。

  • 日本で人気のメジャー天然成分。世界6大カンナビノイドにも含まれる
  • 充分にカンナビノイドの良さを伝える事ができるため、新成分を追わずにDGNで広めていきたい
  • そもそも日本国内でのイメージを変えていかないと市場の成長が進まない。ある程度の実感力も必要だから天然成分のCBNまで扱う

※DGN=CBD、CBG、CBNをまとめた略称

ヨーキー
ヨーキー

クリーンな大手さんって言い方が適切かは分かりませんが、DGNだけでカンナビノイドを広めていこうと考えているブランドさんは少なくないように思います。

③-α 天然に含まれているカンナビノイド成分だけで

DGNに加えて、CBDa、CBGa、CBDV、CBCなどの天然成分も扱っている。

基本的には上記のDGNだけと同じ考え方です。

  • 本来は天然成分だけで市場を伸ばしていくには充分なはず
  • 次々と規制が続き、このままでは業界の存続発展が危ういと感じたから
  • 扱いたいと思える合成カンナビノイドがもう無い(今は無い)から

<個人的な意見>

天然成分のみの方向性に切り替えたブランドさんは、規制が厳しくなった2023年にかけて増えたと思います。

特にX(旧Twitter)は新しい成分や、一定以上に強い成分に需要が集まるので売上が落ちたブランドさんも多く、目もあてられないほど売上が激減してしまったショップも少なくない印象です。

ヨーキー
ヨーキー

苦しいお気持ちは分かるつもりですが、難しい道を敢えて選んでいるブランドさんは尊敬します。一緒に頑張っていきましょう。

天然成分、合成カンナビノイドについて補足

天然成分=ヘンプに含まれている成分

合成カンナビノイド=ヘンプに含まれていない成分

上記が一般的な認識です。

更に補足すると、(CBDを水素化させたH4CBDは合成カンナビノイド)(水素化は自然に行われるもの⇒なのでH4CBDは自然に含まれる天然成分)といった主張もあったりと、実際は曖昧な定義となります。

<個人的な意見>

上記画像はkcalabsの一般分析項目。

THCやTHCVは残念ながら日本では違法(2024/3月現在)なので、それを除いたCBD、CBC、CBDV、CBDA、CBG、CBGA、CBNなどが国内で使用できる天然成分だとここでは定義しています。

様々なメーカーさんに提示されているCOAも見て、そこによく載っている成分は天然成分と解釈して大丈夫だと説明する事もあります。

※なるべくシンプルに、分かりやすいを意識した説明といった意図も含まれる。

<個人的な意見の補足>

ここまで書いておいてなんですが、個人的には天然と合成に大きな違いはないと思っています。

(精神活性 or 非精神活性)と区別する事に意義は感じますが、(天然 or 合成)と分ける事に意義は感じません。そこよりも(どこが作っているか、何を使いどんな風に作られているか、どこまで検査を重ねているか)など他に見るべきポイントがあると思っています。

ただし、体感の強弱は成分によって大きく異なり、体感の弱い合成カンナビノイドの多くは流行らず認知されないまま消えていく傾向にあるのと、(天然 or 合成)と区別した方がユーザーに伝えやすいため、区別されている部分もあると思っています。

④カンナビノイド成分は全てカンナビノイド成分

天然や合成など区別するのは止めよう。全てカンナビノイド由来だから。ってスタンス。

ユーザーが喜べばそれで良い。法に触れなければ何でもOKってスタンスも少なくないですが、同時にその中でも以下のような線引きを持って、しっかりと胸を張って販売できるもののみ扱おうってスタンスの方も居ます。

④-a 合成・天然の差別は無いが正規通関できる成分だけ

COAが存在しないのに、正規通関できるはずが無い。

その逆で、しっかりと正規通関した成分のみを扱うスタンス。(そんなの当たり前でしょ ってツッコミはここでは無しで。)

④-b 合成カンナビノイドの中でも〇〇は扱わない

(天然・合成)の線引きに興味は無いが、以下のような合成カンナビノイドは扱わないスタンス。

  • 残留溶媒などの検査をかけたCOAが存在しない成分は扱わない
  • 検出されない謎の成分は扱わない
  • (違法成分が検出されるリスクが高い)などの成分は扱わない

俗に言うO系は、(VAPEで加熱した時のケテン問題)(時間経過、加熱による成分変化により、加工前の成分が検出されるリスクが高い ※イメージ例:THCO⇒Oが外れてTHCとして検出される)などの懸念点は、確証はないものの昔からずっと言われています。なのでそういった成分は扱わない方針など。

④-c 合成カンナビノイドのエディブルは扱わない

(天然・合成)の線引きに興味は無く、ユーザーに喜んでもらえるなら喜んで扱う。

ただし、エディブル(クッキーやグミなど)は摂取方法の特性上、以下のようなリスクが高いため扱わないスタンス。

  • 効き始めるのが遅く、持続時間も長い ※摂取量の調整が難しく、オーバードーズ事例はほとんどエディブル
  • 気軽に食べれる物だからこそ、悪用されやすい
  • ほとんどの場合、正式な手順を踏んだ食品通関が出来ないため

④-d ユーザーが喜べばそれで良い

良いか悪いかはユーザーが決める事。

何でも仕入れるし、何でも販売するスタンス。

カンナビノイド業界の線引きまとめ

カンナビノイド業界の様々な考え方について

僕が把握している限りの考え方、方向性、スタンスをポジティブに捉えてまとめてみました。

理想の未来 ”大麻が日本で認められる世界線”に向けて活動していても、(まずはCBDから認めてもらおう。)(真正面から合法化に向けてぶつかっていく。)と意見が合わない場合もあります。

正解は分かりませんし、この記事を公開する事に意味があるのかも分かりませんが、合成カンナビノイドを扱うブランドの中でも品質を追求したり教育を行うなど、矜持を持って運営されている方達も居られます。

もちろん言いたい事、思う事があるのは重々分かります。

ポジティブな受け止め方だけでなく、(それはアカンでしょ・・・)って動きをされている人達の事を書く事も考えました。でもここではポジティブ面だけに抑えておきます。

カンナビノイド業界、イメージを良くしていくどころか悪くなってしまっていると感じる部分もありますが、そもそものユーザー数を今の100倍以上に増やし、日本でも日常にカンナビノイドが溶け込む未来があるはず。そのために全力で進んでいきたいと思います。

こんな駄文を最後までお読みいただき有難うございました。

<当記事で紹介したブログ・参考文献など>

>>CBDとの出会い~製品開発に至るまで

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